便秘薬と上手に付き合おう

便秘がツラいときには無理にガマンせず、市販の便秘薬を活用するのもおすすめ。
たくさんある便秘薬の中から、ピッタリの薬を選ぶポイントをご紹介します。

薬選びに迷ったら

便秘薬は腸内での作用の仕方によって、いくつかに分類されます。市販されているものだけでもかなりの数があるので迷いがちですが、自分の便秘の症状やタイプにあった薬を正しく選んで使うことが大切です。迷ったら、薬局・ドラッグストアで薬剤師さんに相談してみて。便秘薬だけに頼らず、食事や運動、生活リズムなどの改善もお忘れなく。

ピッタリの便秘薬を探そう

便秘薬(下剤)には主に、便を柔らかくして排便しやすくするもの(機能性下剤)と、腸を刺激して排便を促すもの(刺激性下剤)があります。これ以外に、漢方薬や浣腸剤などもあります。

下剤 機能性下剤

便を柔らかくして排便しやすくするもの。十分な水分と一緒に服用してください。

  • [膨潤性下剤] 腸の中で水分を吸収して膨らむことで便を軟らかくします。また、便のかさが増えることで蠕動運動が促進されます。 主な成分:プランタゴ・オバタ種子、カルボキシメチルセルロースなど
  • [湿潤性下剤] 便の表面張力を低下させ(界面活性作用)、便に水分を浸透させて軟らかくします。 主な成分:ジオクチルソジウムスルホサクシネート(DSS)
  • [塩類下剤] 浸透圧により腸の中に水分が留まり、便を軟らかくします。 主な成分:酸化マグネシウム、硫酸マグネシウムなど
刺激性下剤

腸を刺激して排便を促すもの。大腸または小腸を直接刺激して蠕動運動を高めます。

  • [大腸刺激性下剤] 市販の便秘薬の7割を占めます。習慣性があり、長期連用には特に注意が必要。 主な成分:アントラキノン系 → センナ(センノサイド)アロエ 大黄 ジフェニルメタン系 → ピコスルファートナトリウムビサコジル
  • [小腸刺激性下剤] 主な成分:ヒマシ油、オリーブ油
その他
  • [浣腸] 腸壁を滑りやすくさせます。また、直腸内に直接注入するので刺激となり排便を促します。直腸性便秘にオススメ。ただし乱用すると、便意を感じづらくなる可能性があるので要注意! 主な成分:グリセリン
  • [座剤] 腸内に炭酸ガスを発生させることで刺激します。直腸性便秘にオススメ。 主な成分:炭酸水素ナトリウム、無水リン酸二水素ナトリウム
  • [生薬] 主な成分:カンゾウ、ケツメイシ
  • [漢方] 主な成分:大黄甘草湯(前述の刺激性下剤に含まれます) 、防風通聖散、麻子仁丸、大承気湯
整腸剤 腸内の悪玉菌の増殖を抑え善玉菌を優位にするため、腸内環境が戻り排便トラブルの解消につながります。また、乳酸菌が産生する乳酸や酢酸は、腸の蠕動運動を高める作用もあります。 主な成分:整腸生菌成分(乳酸菌、ビフィズス菌、納豆菌、酪酸菌など)

撮影:内山めぐみ

監修:福澤麻理 先生(ふくざわまり先生)

西新宿きさらぎクリニック副院長。
東京医科大学を卒業後、同病院消化器内科、内視鏡センターを経て現職。
便秘外来を受け持ち、女性の便秘事情にも精通している。

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