便秘とは

年齢を問わず多くの女性が経験している、ツラいお悩み“便秘”。
便秘について、まずは正しい知識を身につけて、上手に付き合っていきましょう。

毎日お通じがないと便秘?

「1日1回以上、バナナ形の便がスムーズに出る」といった状態が快便の目安と言われます。
一方、毎日出ていても量が少なかったり、残便感があったり、排便できずにお腹に張りや痛みを感じることを一般的に「便秘」と言います※。
2~3日お通じがなくても、苦痛がなければ便秘とは限らないので、きちんと自分の症状を把握することが大切です。

  • ※学会や医師の見解により異なります。

便秘の仕組み

私たちが食べ物を摂ると、まず胃・十二指腸で消化吸収されやすい状態となって、小腸を通って大腸へ移動します。
このときは液状ですが、大腸のぜん動運動(=便を押し出すための腸管の筋収縮)により水分吸収を繰り返しながら、徐々に固形になっていきます。そして直腸に便がやってくると脳に伝えられ、排便に至ります(排便反射)。
この仕組みのどこかが滞ると便秘になります。

便秘のタイプはさまざま

便秘は、原因により「機能性便秘」と「器質性便秘」の2つに分けられます。

腸の機能低下のおそれアリ! 機能性便秘

消化管(小腸・大腸)の機能低下による便秘の総称で、さらに次のように分けられます。

  • ①症候性便秘

    内分泌・神経疾患などが原因で二次的にあらゆる機能低下が起こります。

    考えられる原因:
    糖尿病、パーキンソン病、薬剤性など

  • ②習慣性便秘

    腸の機能低下から起こる便秘で、3つのタイプに分かれます。

    • 弛緩性便秘

      生活習慣の乱れ(バランスの悪い食生活・排便習慣がない・腹筋力の低下など)が原因の便秘。
      大腸のぜん動運動が低下することで便の通過・停滞時間が長くなり、水分がさらに吸収されて便が硬くなります。

      考えられる原因:
      高齢者、ダイエット中の女性

    • 痙攣性便秘

      自律神経(交感神経・副交感神経)の乱れで、大腸のぜん動運動が過剰になってしまうことで起こる便秘。腸が痙攣したような状態となって便の送り出しがブロックされます。

      考えられる原因:
      過敏性腸症候群

    • 直腸型便秘

      便意を我慢する習慣がある人がなりやすいのがこのタイプ。排便反射が起こらなくなった状態で、直腸まで便がきているのに便意がないので停滞します。

      考えられる原因:
      トイレを我慢してしまう、長期臥床者(寝たきり)

重大な病気のサインかも!? 器質性便秘

消化管(小腸・大腸)の器質的障害(通り道が狭くなりつまること)で起こる便秘です。

考えられる原因:
消化管もしくは外(隣接臓器)にできた腫瘍、腸炎による狭窄、腸重積、術後癒着

撮影:内山めぐみ

監修:福澤麻理 先生(ふくざわまり先生)

西新宿きさらぎクリニック副院長。
東京医科大学を卒業後、同病院消化器内科、内視鏡センターを経て現職。
便秘外来を受け持ち、女性の便秘事情にも精通している。

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